ピーク認識フィルター

インテグレータは、3 つのピーク認識フィルターを持っており、連続するデータポイントのスロープと曲率の変化を検出してピークを認識するために使用します。このフィルターには、インテグレータが調べているデータポイントの一次微分次数(スロープを測定する)と二次微分次数(曲率を測定する)が含まれています。

注記

信頼性の高い結果を得るためには、ピークに少なくとも 10 のデータポイントが含まれている必要があります。

認識フィルターには次のものがあります。

フィルタ 1

連続する 2 つ(3 つ)のデータポイントのスロープ(曲率)

フィルタ 2

連続する 4 つのデータポイントのスロープと、連続しない 3 つのデータポイントの曲率

フィルタ 3

連続する 8 つのデータポイントのスロープと、連続しない 3 つのデータポイントの曲率

実際に使用されるフィルターは、ピーク幅の設定で決まります。たとえば、分析の開始時にフィルター 1 が使用されたとします。分析中にピーク幅が広がった場合には、フィルターはまずフィルター 2 に、それからフィルター 3 に変更されます。認識フィルターから良いパフォーマンスを得るために、ピーク幅は実際のクロマトグラフピークの幅に近い値に設定する必要があります。分析中、積分を最適化するために、インテグレータは必要に応じてピーク幅を更新します。

インテグレータは、更新されたピーク幅を機器のテクニックに応じて次の異なる方法で計算します。

LC データの場合、デフォルトのピーク幅の計算には次の複合計算方法を用います。

0.3 × (右側の変曲点 – 左側の変曲点) + 0.7 × 面積/高さ

GC データの場合、デフォルトのピーク幅の計算には面積/高さの計算方法を用います。この計算は、半値幅を超えるところで重なっている場合には、幅を過大評価しません。

特定のタイプの分析、たとえば GC 等温分析や LC アイソクラティック分析では、ピークは分析が進むにつれて顕著に広くなります。これを補正するため、インテグレータは分析中にピークが広くなると、ピーク幅を自動的に更新します。これは、更新が固定ピーク幅タイムイベントで無効にされていない限り、自動的に行われます。

ピーク幅の更新は、次の方法で重み付けされます。

0.75 × (既存のピーク幅) + 0.25 × (現在のピーク幅)

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