ピーク認識アルゴリズム

インテグレータは、ピーク認識アルゴリズムによって決定されたベースラインポイントを、ピークの開始として識別します。ピーク認識アルゴリズムは、まずピーク認識フィルタの出力を初期スロープ感度と比較して、アップスロープ積算器の値を増加または減少させます。インテグレータは、アップスロープ積算器の値が ≥15 になった点を、ピーク開始点として宣言します。

ピーク開始

アップスロープ積算器への増分値 を使用し、予測ピーク幅によってスロープ感度と比較されるフィルタのスロープと曲率の値が決定されます。たとえば、予測ピーク幅が小さい場合には、フィルタ 1 の値がアップスロープ積算器に加算されます。予測ピーク幅が大きくなると、フィルタ 2 の値が、それからフィルタ 3 の値が使用されます。

アップスロープ積算器の値が ≥15 の場合、ピークが開始していることをアルゴリズムが認識します。

表: アップスロープ積算器への増分値

微分係数フィルタ 1 ~ 3 の出力とスロープ感度

フィルタ 1

フィルタ 2

フィルタ 3

スロープ > スロープ感度

+8

+5

+3

曲率 > スロープ感度

+0

+2

+1

スロープ < (-) スロープ感度

-8

-5

-3

スロープ < |スロープ感度|

-4

-2

-1

曲率 < (-) スロープ感度

-0

-2

-1

ピーク終了

ダウンスロープ積算器への増分値 を使用し、予測ピーク幅によってスロープ感度と比較されるフィルタのスロープと曲率の値が決定されます。たとえば、予測ピーク幅が小さい場合には、フィルタ 1 の値がダウンスロープ積算器に加算されます。予測ピーク幅が大きくなると、フィルタ 2 の値が、それからフィルタ 3 の値が使用されます。

ダウンスロープ積算器の値が ≥15 の場合、ピークが終了していることをアルゴリズムが認識します。

表: ダウンスロープ積算器への増分値

微分係数フィルタ 1 ~ 3 の出力とスロープ感度

フィルタ 1

フィルタ 2

フィルタ 3

スロープ < (-) スロープ感度

+8

+5

+3

曲率 < (-) スロープ感度

+0

+2

+1

スロープ > スロープ感度

-11

-7

-4

スロープ > |スロープ感度|

-28

-18

-11

曲率 > スロープ感度

-0

-2

-1

ピーク頂点アルゴリズム

ピークの頂点は、最も高いデータポイントを通る放物線を描いたときの、クロマトグラムの最も高いポイントとして認識されます。

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