OpenLab CDS v2.x では、すべてのデータポイントに対してスレッショルドが自動的に計算されます。純度判定の基準は、ピークの感度パーセントの値で調整します。
このため、感度は固定スレッショルド値ではありません。純度チェック感度の値の調整ではスレッショルドが変更されますが、反映の度合いは直線的ではありません。これはそれぞれの生データポイントのスレッショルドが同一ではないからです。例として、2.950 min のスレッショルド値が 998 の場合、2.960 min でスレッショルドは必ずしも同じ値にはなりません。すべてのデータポイントでそれぞれスレッショルドが計算されることにより、ピーク全体のスレッショルドカーブが得られます。
次にスレッショルドカーブに純度チェックの感度が適用されます。データ解析では、ピークの表示の下に対数をとったスレッショルドカーブとシミラリティカーブが描かれます。スレッショルドカーブは、表示上では平坦に描かれ、純度良好と純度が悪いと認められる領域の境界となります。シミラリティカーブ(ピーク詳細に表示)は、純度評価で説明する式を使用して描かれます。スレッショルドの限界を 0 としたとき、ピーク全体にわたってのシミラリティカーブは、純度良好とみなされる正の値と純度が悪いと認められる負の値の領域に分散されるような形で表示されます。
たとえば、
一致ファクタ 990、スレッショルド 980 のデータポイント:
比 = log( (1000 - 980) / (1000 - 990) ) = log(2) = +0.3
この生データポイントは純度基準を満たしています。
一致ファクタ 970、スレッショルド 990 のデータポイント:
比 = log( (1000 - 990) / (1000 - 970) ) = log(0.33) = -0.48
この生データポイントは純度基準を満たしていません。
感度を増減させると、計算されたスレッショルドカーブのプロファイルが変化します。感度の範囲は 0 から 100 % までで、デフォルトのスレッショルドは 50 % となります。
シミラリティカーブは非線形(対数)で表示されるため、スレッショルドはデータポイント間で一対一の関係にマッピングされません。感度が 20 % 増減された場合、スレッショルドカーブは上または下に移動し、その振幅も変化します。生データポイントのスレッショルドは +/- 20 % の分だけが変更されるわけではありません。
感度 | スレッショルド |
---|---|
0 % |
最小値 = 0 |
0 <= s <= 100 |
計算されたスレッショルドカーブ(リファレンスカーブ:50%) |
100 % |
最大値 = 1000 |
低感度 - このピークは純粋であると見なされます。 |
デフォルト感度 - このピークは純粋でないと見なされます。 |
高感度 - このピークは純粋でないと見なされます。 |
1 つでもデータポイントがスレッショルドを下回る場合、全体的な UV ピーク純度ファクターが 1000 に近い場合でも、ピークは純粋でないとフラグ付けされます。
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