ASTM 法によるノイズ計算

ASTM 法によるノイズ測定

ASTM ノイズ測定(ASTM E 685-93)は、American Society for Testing and Materials(ASTM、米国材料試験協会)による定義に従って、液体クロマトグラフィに使用される可変波長光度検出器をテスト用の規格に基づいています。時間範囲の大きさに従って異なる 3 種類のノイズに区別できます。ノイズ決定は、定義された時間範囲内のピーク間の測定に基づきます。

  • サイクル タイム、t

    長周期ノイズ:1 時間当たりのサイクルが 6 ~ 60 ある周波数検出器シグナルのあらゆるランダム変動に対する最大振幅。長周期ノイズは、選択した時間の範囲が 1 時間を超えるときに決まります。各サイクル(dt)の時間範囲は 10 分に設定されます。この 10 分間で、選択した時間範囲内に最少で 6 サイクル得られます。

    短周期ノイズ:1 分間当たりのサイクルが 1 を上回る周波数検出器シグナルのあらゆるランダム変動に対する最大振幅。短周期ノイズは、選択した時間範囲が 10 ~ 60 分間の選択した時間範囲に対して決まります。各サイクル(dt)の時間範囲は 1 分に設定されます。この 1 分間で、選択した時間範囲内に最少で 10 サイクル得られます。

    超短周期ノイズ(ASTM E 685-93 の対象外):この用語は、0.1 分間当たりのサイクルが 1 を上回る周波数検出器シグナルのあらゆるランダム変動に対する最大振幅を説明するために使用されます。

    超短周期ノイズは、選択した時間範囲が 1 ~ 10 分間の選択した時間範囲に対して決まります。各サイクル(dt)の時間範囲は 0.1 分に設定されます。この 0.1 分間で、選択した時間範囲内に最少で 10 サイクル得られます。

  • サイクル数、n

    サイクル数は以下のように計算されます。

    ここでは、t がサイクルタイム、ttot はノイズが計算される対象の合計時間です。

  • 各サイクルのピーク・トゥ・ピークノイズの計算

    ドリフトは、時間範囲のすべてのデータポイントを使用して線形回帰を決定することで、最初に計算されます。直線回帰ラインは、時間範囲内のすべてのデータポイントから減算されることによって、ドリフト補正されたシグナルを与えます。ピーク・トゥ・ピークノイズは、次の式を使用して計算されます。

    N = I max - I min

    ここでは、N がピーク・トゥ・ピークノイズ、Imax が時間範囲における最も強い(最大の)ランプ強度のピークであり、Imin は、最も低い(最少の)ランプ強度のピークです。

  • ASTM ノイズ

    ASTM ノイズは以下のように計算されます。

    ここでは、NASTM は、ASTM 法に基づくノイズです。

    選択した時間範囲が 1 分より短い場合、ASTM ノイズ測定は実行されません。選択した時間範囲が 1 分以上の場合は、その範囲に基づいて、前述のASTM法を使ってノイズが測定されます。1サイクル当たり少なくとも 7 つのデータポイントが計算に使用されます。

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