ベースラインの追跡

インテグレータは、分析の進行とともに、初期ピーク幅または計算されたピーク幅で決定される取り込み速度でデジタルデータをサンプリングします。各データポイントは、ベースラインポイントの可能性があるものとみなされます。

インテグレータは、ベースラインのスロープをもとに、ベースライン追跡アルゴリズムでベースラインエンベロープを決定します。アルゴリズムは一次微分係数でスロープを、二次微分係数で曲率を決定します。ベースラインエンベロープは円錐状のものとして表現できます。円錐の頂点が現在のデータポイントになります。円錐の許容上限および下限レベルは、次のようになります。

  • + アップスロープ + 曲率 + ベースラインバイアスは、スレッショルドレベルより小さい必要があります。

  • - アップスロープ - 曲率 + ベースラインバイアスは、スレッショルドレベルより大きい (これらが負の場合には絶対値が小さい) 必要があります。

新しいデータポイントが受け入れられると、円錐は前方に移動し、これがブレークアウトまで続きます。

ベースラインポイントとして受け入れられるためには、データポイントは次の条件を満たす必要があります。

  • 定義済みのベースラインエンベロープ内にあること。

  • データポイントでのベースラインの曲率 (微分係数フィルタで決まる)が、現在のスロープ感度設定で決まる限界値より小さいこと。

こうして、分析の開始時に設定された初期ベースラインポイントは、ベースラインエンベロープ内に入ったデータポイントの移動平均値に連続的にリセットされます。このリセットは、ピーク幅で決定される期間にわたり、ピーク幅で決定される速度で行われます。インテグレータはベースラインを追跡し、ドリフトを補正するために定期的にリセットします。これは、ピークのアップスロープが見つかるまで続きます。