分析結果でピークが左右対称にならず、ピークのトップが右にずれた後で急激に減少するという形状が認められる場合、以下に示す原因が考えられます。この現象は、スプリットレス注入の実行時によく見られ、ライナとカラムを過負荷にする大型注入機器によって引き起こされることが多いため、「過負荷状態」とも呼ばれます。
対象化合物の濃度が現在のカラムの膜厚に対して高すぎます。対象化合物の濃度とカラムの膜厚が適応していることを確認します。
オーブンの初期温度を10℃または20℃上げて、フロンティングが弱まるかどうか試してみます。
活性部位があると、多数の現象が生じる可能性があります。最も一般的な現象はピークのテーリングです。そのほかにも、ピークのリーディングやリテンションタイムの増加などが生じます。
注入口ライナを新品の不活性ライナで交換します。
ライナが正しく取り付けられていることを確認します。ライナにカラムの破片があると、ピークテーリングの原因になる場合があります。
注入口のシールを交換します。
カラムを注入口から取り外します。最初の 10 cm を切除します。カラムを注入口に再び取り付けます。
注入口の保守については、GCに付属のマニュアルを参照してください。
注入量がライナの容積を上回ると、ピークが左(ピークテーリング)または右(ピークリーディング)に歪む原因となります。注入量を減らします。
注入口の温度が高すぎると、フロンティングが生じる場合があります。注入口の温度を25~50℃下げて、もう一度実行してください。