マルチハートカット

一般に、ハートカットでは、コンプリヘンシブ手法に比べて二次元目のグラジエントタイムがはるかに長くなります。標準的なハートカット手法では、二次元目のグラジエントの実行中にピークをサンプリングできないという欠点があります。ここで示す例では、 1 番目のピーク(紫)を二次元目のグラジエントで分析している間に 、一次元目のカラムから 2 番目と 3 番目のピーク(灰色と黄色)が溶出してしまいます。4 番目のピーク(緑)が一次元目から溶出したときには、二次元目の準備は完了しています。そのためこのピークは二次元目で分析できます。二次元目はこの分析で使用されているため、5 番目のピーク(青色)を分析することはできません。

この問題には、マルチハートカット 2D-LC と呼ばれる設定を使用して対処します。ここで、2D-LC バルブのサンプリングループを 6 ポジション/14 ポート 選択バルブと交換します。このバルブにはループが 6 つずつ装備されています。このコンフィグレーションではピークを分画して溜めておくことができるため、二次元目がフリーになるとすぐに分析できます。

分析中に分画されて保存されたピークは、一次元目が分析中でも、二次元目で連続的に分析されます。キャリーオーバーを回避するため、それぞれのマルチハートカットバルブで最後に保存されたピークから順に分析されます。