再解析と再定量

シーケンスまたはシングルランの再解析中に、アプリケーションによって解析メソッドのすべての部分が実行されます。アプリケーションは注入リストおよびメソッドから現在得られるすべてのパラメータを使用して、検量線を含めたすべての結果を更新します。

再定量は、検量線自体は更新されず、結果の再計算に使用されるということです。以下のセクションで、その違いについて詳しく説明します。

 

再解析

すべて再解析を使用すると、すべての検量線が更新されます。更新された検量線は結果の再計算に使用されます。通常、すべて再解析はキャリブレーションパラメータが変更され、シーケンス全体を再計算する必要がある場合に使用されます。

キャリブレーション標準を選択し選択を再解析を実行すると、対応する検量線のみ更新されます。更新された検量線は選択したサンプル結果の再計算に使用されます。通常、選択を再解析は積分パラメータが変更され、特定のクロマトグラムに対して確認する必要がある場合に使用されます。他の例として、シングル注入を変更しこの変更を他の特定の注入データに反映させたい場合があります(この場合は両方のデータを選択します)。

注記

ブラケットキャリブレーションの場合、選択を再解析を選択すると結果が誤ったものになることがあります。ブラケットキャリブレーションの場合は すべて再解析または選択を再定量を使用します。

再定量

すべての検量線は変更されません。この操作では、定量のみ実行されます(注入データの同定またはキャリブレーションは実行されません)。既存の検量線を使用して結果が再計算されます。

結果セットの再定量に使用される検量線は、結果セットの各注入データに対して利用可能な個々の検量線となります。シングルランの場合、関連付けられたメソッドに保存された検量線が、シングルランの結果に最初にコピーされます。その後、この検量線を使用して再定量されます。

選択を再定量は通常、特にサンプルが複雑なキャリブレーション(ブラケットキャリブレーションなど)のシーケンスの一部である場合に、データのマニュアル変更後に使用されます。再定量は、カスタム計算の結果を再計算するためのマニュアル操作後に使用されることもあります(この場合、結果セットのすべての注入データを選択する必要があります)。

マニュアル変更

マニュアル積分またはマニュアル同定などのマニュアル変更は再解析中に解析メソッドに反映され、新しい解析メソッドの検量線に影響します。この検量線を使用して結果を計算する場合は、再定量を行ってください。

表: 再解析および再定量時に考慮される変更

 

再定量

再解析

メソッド変更

  • 全般

  • 抽出

  • 積分イベント

  • 化合物 > スペクトル

  • MS ライブラリ検索

  • システムスータビリティ

いいえ

はい

  • MS サンプル純度

  • ツール > ポスト解析用プラグイン

はい

はい

  • 化合物 > 化合物の同定

  • 化合物 > キャリブレーション

変更すると、計算済みのアマウントと濃度は削除されます。

はい

  • レポート > 注入レポート

いいえ

いいえ

  • ツール > カスタム計算

結果セットのすべての注入データを再定量する場合のみ

結果セットのすべての注入データを再解析する場合のみ

マニュアル変更

  • マニュアル積分

  • マニュアルで化合物の割り当て(割り当て解除)

  • ピークの削除

はい

はい。クリアされたマニュアル変更(データの再解析 を参照)を除く

  • キャリブレーションポイントの無効/有効

はい

はい

サンプルパラメータ(注入リスト)

  • 倍率

  • 希釈率

  • ISTD アマウント

  • サンプルアマウント

  • ターゲット(質量)1-5

はい

はい

  • 化合物カスタムフィールド

  • サンプルタイプ「ブランク」

  • キャリブレーションレベル

  • サンプル名

  • サンプルの説明

  • ラベル

  • LIMS ID 1-3

いいえ

はい

  • ブラケット

  • サンプルタイプ

  • タイプ

いいえ

はい、結果セットのすべての注入データを再解析する場合

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