注記
スペクトルデコンボリューションの場合、LC/MS スペクトルデコンボリューションメソッド設定を使用します。スペクトルデコンボリューションメソッドパラメータは、スペクトル分析 > MS スペクトルデコンボリューションにあります。
これらのパラメーターはデコンボリューションアルゴリズムによって、関連イオンの検索および分類、電荷の計算、分子量の計算に使用されます。高分子化合物と低分子化合物の両方を含めるには、デフォルト設定を使用します。個別のサンプルによっては、一部の設定を変更して使用します。
自動デコンボリューションの実行 |
データ解析中に自動的にデコンボリューションを実行する場合は、このチェックボックスをオンにします。 |
RT ウィンドウを使用する | オプション:リテンションタイムウィンドウを選択します。自動デコンボリューションは、指定された時間内の TIC ピークのスペクトルに対してのみ実行されます。 |
TIC ピークタイプ | 自動デコンボリューション実行時に TIC SCAN シグナルからどのピークタイプを使用するか選択します: 同定されたピーク:化合物テーブル(解析メソッドの化合物 > 同定ノード)で定義されたピークのみ、 自動デコンボリューションに使用されます。 未同定ピーク:化合物テーブル(解析メソッドの化合物 > 同定ノード)にないピークのみ、 自動デコンボリューションに使用されます。 すべてのピーク:同定ピークと未同定ピークの両方が自動デコンボリューションに使用されます。 |
TIC ピークスレッショルド |
TIC SCAN シグナルからどのようにピークをフィルタリングするかを選択します: なし:MS クロマトグラムのすべてのピークに対してフィルタリングなしでデコンボリューションが実行されます。 上位 n 番目までのピーク:MS クロマトグラムでピーク高さが最大のピークから指定された数についてデコンボリューションが実行されます。 ピーク高さ:MS クロマトグラムでピーク高さが指定された値を上回るすべてのピークにデコンボリューションが実行されます。 ピーク面積:MS クロマトグラムでピーク面積が指定された値を上回るすべてのピークにデコンボリューションが実行されます。 |
これらのコンボボックスには、一般的なポジティブおよびネガティブ付加イオンが一覧表示されています。選択したイオンがデコンボリューションに使用され、多価イオンのスペクトルの生成では付加イオンにより補われます。
ポジティブおよびネガティブに付加イオンを追加するには、対応する入力フィールドに分子式を入力し、+ をクリックします。リストから付加を削除するには、付加を右クリックし、削除を選択します。
m/z 範囲の指定 |
特定の m/z 範囲のスペクトルデコンボリューション結果を表示する場合に、このチェックボックスをオンにします。チェックボックスをオンにすると、この m/z 範囲を設定するフィールドが有効になります。 デコンボリューションの実行後に、MS スペクトルウィンドウに m/z 範囲が薄い灰色で表示されます。 |
分子量の下限 |
デコンボリューションでレポートされる最小の分子量を設定します。デフォルトは 500 amu です。 |
分子量の上限 |
分子量の上限を設定します。デフォルトは 50,000 amu です。 |
最大電荷 | 最大電荷は、電荷割り当ての絶対的なカットオフを必ずしも示すものではありません。関連するピークを検索するためにピークに適用できる最大の電荷を示します。たとえば、最大電荷が 30 のとき、関連ピークの検索時にピーク A に電荷 30 が適用されると、ピーク A では電荷が 27 ~ 29 および 31 ~ 33 の隣接する関連ピークが検索されます。電荷 31 ~ 33 のピークは、最大電荷が 30 であるという理由で無視されません。ただし、関連ピークの検索時に 30 を上回る電荷状態がピーク A に適用されることはありません。 高分子と低分子の両方の化合物が検索されるように、デフォルト値は最大電荷(50)とセット内の最小ピーク数(3)に設定されています。スペクトルに多くのピークがある場合は、セット内の最小ピーク数のデフォルト値 3 には注意が必要です。これらの条件では、アルゴリズムは 2 本または 3 本のピークに対して余分なコンポーネントを容易に検索します。アルゴリズムに制限をかけるには、セット内の最小ピーク数が 3 のときは最大電荷を下げてください。ピークが 2 本か 3 本しかないコンポーネントは通常、分子量が小さいため、電荷範囲を狭くするのが適切です。 たとえば、m/z 値が約 1500 のピークで電荷が 30 の場合、分子量はほぼ 45,000 となります。したがって、分子量が 45,000 以下の化合物の場合、最大電荷を 30 に変更すれば十分です。高分子化合物を検索するために最大電荷を大きくする必要がある場合は、セット内の最小ピーク数を 4 以上に変更してください。高分子化合物には通常、複数ピークを持つ複数のコンポーネントがあります。 別のアプローチとして、分子量の下限および分子量の上限を使用してデコンボリューションがレポートする質量範囲を制限する方法があります。分子量の下限および分子量の上限を使用する場合も、最大電荷を適切な値に設定するようにしてください。 |
セット内の最小ピーク数 |
このパラメーターは、複数のイオンがセットと見なされて元のスペクトルから分離可能になるために必要な関連イオンの数です。デフォルトの最小数は 3 です。この値を大きくすると、イオンが多いスペクトルに対して検索されるコンポーネント数を制限できます。 イオンの最小数が 3 の場合、電荷状態が +1 と +2 または -1 と -2、+2 と +3 または -2 と -3、+3 と +4 または -3 と -4、+1 または -1 のみ、+2 または -2 のみのイオン(イオンの幅が <= 0.4 の場合のみ)のセットの特別な解析となります。電荷の割り当てが少ない場合、MW 許容差、同位体の存在、同位体質量差、同位体比、およびピーク幅が使用されます。 |
不一致のピークを表示 |
このチェックボックスをオンにすると、関連イオンのグループに属さないデータポイントが中間結果にオブジェクトとして含まれます。デフォルトで、チェックボックスはオフになっており、一致するピークのみ含まれます。一致しないピークを観察すると、検出されない小さい多価イオンの存在についての手がかりが得られます。 |
MW 許容差 (0.01%) |
電荷状態によってシフトした各イオンの分子量が互いにどの程度一致していなければならないかを決定します。値は整数として入力しますが、0.01% として表されます。したがって、範囲は 0 ~ 100(すなわち、0 ~ 1%)となります。デフォルトは 5(0.05%)です。 値を小さくすると、各イオンの分子量がより厳密に一致していなければならなくなります。値を大きくすると、各イオンはそれらの平均分子量からより離れていても受け入れられます。値をゼロにすると、イオンが完全に一致していなければなりません。ゼロ以外の小さい値に設定すると、データに対して有効なコンポーネントを決定する際の制限が厳しくなります。 |
絶対ノイズスレッショルド |
相対的な相対アバンダンススレッショルド (%) と絶対的な絶対ノイズスレッショルドのどちらか大きい方によって、コンポーネントの関連イオンの検索に使用するイオンが決定されます。小さいシグナルを検討するには、絶対ノイズスレッショルドを使用します。デフォルトは 1000 です。範囲は 0 ~ 1,000,000 です。 |
相対アバンダンススレッショルド (%) |
このパラメーターの値は、スペクトルにおける最大イオンのアバンダンスに対する割合で設定します。アバンダンスがこのアバンダンススレッショルドを超えるイオンが、セット内の他のイオンの予測に使用されます。デフォルトは 10% です。 相対的な相対アバンダンススレッショルド (%) と絶対ノイズスレッショルドのどちらか大きい方によって、コンポーネントの関連イオンの検索に使用するイオンが決定されます。絶対ノイズスレッショルドは、大きいシグナルを検討する場合に特に便利です。小さいシグナルの場合は値を小さくします。 この設定では、スペクトル内のイオンが関連イオンセット内に含まれないようにすることはできません。セット内の他のイオンの予測に小さいイオンが使用されないようにするだけです。 |
MW アルゴリズム |
分子量を特定するためのアルゴリズムを選択します。デフォルトはカーブフィットで、イオンセットがガウス分布であるか同位体分離度がある場合に最良の結果が得られます。セントロイドでは、MW アルゴリズムスレッショルド (%)を上回るデータポイントの重み付け平均が得られます。 |
MW アルゴリズムスレッショルド (%) |
再構築された質量エンベロープのどの部分が分子量の確認に使用されるかを決定します。この値は、エンベロープにおける最高アバンダンスに対する割合を表します。このアバンダンススレッショルドを上回るデータポイントが分子量の決定に使用されます。デフォルトは 40% です。 データにノイズが多い場合や最終的なピーク形状が著しく非対称の場合に、このパラメーターを大きくすると、エンベロープのベースに近い非対称部分を MW の計算に含めないようにできます。この値の設定が大きすぎる場合、カーブフィットに使用されるデータポイントが少なくなり、カーブフィットに失敗する可能性があります。 カーブフィットが失敗した場合、低電荷状態またはノイズの多いデータにはMW アルゴリズムパラメーターでセントロイドを使用してください。それ以外の場合は、MW アルゴリズムスレッショルド (%)を小さくします。アルゴリズムは最大イオンの最大値からスタートし、イオンピークの先頭側をデータポイントに沿って通り、割り当てられたカットオフへと向かいます。下降スロープから 10% を超える上昇で分離された同位体や未分離の同位体に遭遇した場合、アルゴリズムは、その上昇位置の前の低いポイントから、イオンピークを超えて、真向いの立ち下がり上のポイントまでカットオフラインを引きます。 |
エンベロープスレッショルド (%) |
アルゴリズムがグループをコンポーネントとして受け入れる条件として、イオングループの形状がガウス分布形状にどの程度一致している必要があるかを決定します。 範囲は 0 ~ 100% です。ゼロの場合、エンベロープの形状は確認されません。数値を大きくするほど、形状が厳密に確認されます。デフォルト値は 50 で、この場合、エンベロープの上昇スロープ上のイオンのアバンダンスが、イオン左側アバンダンスの 50% 以上になるように指定されます。また、エンベロープの下降スロープ上のイオンのアバンダンスが、イオン右側アバンダンスの 50% 以上になるように指定されます。 |
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