スペクトルデコンボリューションでは、分子量を計算するために、多価イオンのエレクトロスプレーデータ内の成分(コンポーネント)を検出して関連付けます。エレクトロスプレーでは、電荷を引き付ける部位を複数持つペプチドやタンパク質などの巨大分子が多価イオンになります。この結果、四重極 MS の範囲内の質量電荷比 (m/z) でサンプルから多価イオンが生成されます。スペクトルデコンボリューションの実行プロセスは以下のとおりです。
スペクトル内のイオンの場所が特定されます。
同じ化学成分に属するイオンを特定するための評価が実行されます。評価では、同じ分子量が得られるかどうかを計算するため、イオンセットに連続的な電荷状態が適用されます。同じ分子量が得られると、セット内のイオンは同じコンポーネントであると見なされます。
コンポーネントセット内の各イオンの m/z 値が対応する質量に変換され、最終的な質量対アバンダンスのスペクトルイオンが得られます。
このイオンにカーブフィッティングアルゴリズムまたはセントロイド計算が適用され、コンポーネントに割り当てられる実際の分子量が決定されます。
注記
スペクトルデコンボリューションは、多価スペクトルを非電荷スペクトルへ変換し、そのコンポーネントの分子量を計算する手法です。
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