MSD で空気漏れを発見する最も簡単な方法は、空気漏れの可能性がある箇所に不活性ガスを吹き付けて、MSD 自体を検出器として使用することです。このチェックは、最後に開けたシール箇所から始めるようにしてください。これは、最後に開けたシール箇所が、空気漏れを引き起こす可能性が最も高い箇所だと考えられるためです。
アルゴン、レクチャー (0.6リットル) ボトル
ピペット (オプション)
スクリュドライバ、TORX T-15 (8710-1622)
配管
スプリット/スプリットレス注入口が付いたGCを使用している場合は、空気漏れチェックの際に注入口パージをオンにします。
ゲージコントローラが付いた MSD を使用している場合は、チェックを開始する前に三極管ゲージとゲージコントローラをオフにします。
MSD がまだオンのステータスにあるときに、上部と下部の MSD カバーを取り外します。
警告!他のカバーは取り外さないでください。これらのカバーの下に流れている電圧は人体に危険を及ぼす程度に高く、ディフュージョンポンプが高温になっており、三極管ゲージも高温になっている場合があります。
MSD の下部でフォアラインポンプを見つけたら、それを動かして、高真空ポンプに触れるようにします。
[マニュアルチューニング] > [パラメータ]で、Cal バルブを閉じた状態にします。
[マニュアルチューニング] > [測定]で、[測定タイプ]を[プロファイル]に設定します。
プロファイルイオンの質量を 3 つともすべて 40 m/z に設定します。
アルゴン以外の不活性ガスを選択する場合は、該当するガスの主要イオンを入力します。
[データ取り込みの開始]をクリックします。
これにより、3つのチューニング質量に対する連続スキャンが開始されます。この場合、3 つのすべての質量は m/z 40になります。
アルゴンガスが入ったシリンダの出口に配管を接続します。
配管を接続すると、ガスの方向を正確かつ容易に定めることができます。配管の端にピペットを付けると、ガスの方向をさらに正確に定めることができるようになります。
配管の端またはピペットの先端を水が入ったビーカーに浸し、気泡が緩やかに流れるようになるまで、ガスの流れを調節します。
流れが強すぎると、アルゴンが浪費されるだけでなく、機器の周囲がガスで満たされ、空気漏れを正確に特定するのがより困難になります。
以下に列記する空気漏れの可能性がある箇所に対して、アルゴンを一度に 1 か所ずつ吹きつけます。
このチェックは、最後に開けたシール箇所から始めるようにしてください。これは、最後に開けたシール箇所が、空気漏れを引き起こす可能性が最も高い箇所だと考えられるためです。各箇所への吹きつけを終えたら、データシステムでピーク形状を観察します。2 ~ 5 秒後に m/z 40 で急激かつ大幅な増加が見られる場合は、最後に吹きつけた箇所に空気漏れがあることを意味します。5 ~ 20 秒後にm/z 40 で緩やかな増加が見られる場合は、最後に吹きつけた箇所ではありませんが、その付近に空気漏れがあることを意味します。
GC/MSD インタフェースカラムナット
GC インタフェース O-リング
サイドプレート O-リング(全周*)
三極管ゲージ配管フィッティング
キャリブレーションバルブ(バルブが閉じたステータス)
キャリブレーションバルブ(PFTBAフィールドをOPENに変更した後)
ベントバルブ O-リング
高真空ポンプと真空マニフォールドの連結箇所
警告!高真空ポンプには触らないでください。非常に熱くなっています。
空気漏れのある箇所を特定し、修復し終えたら、その箇所をもう一度テストして、正しく修復されていることを確認します。
空気漏れを修復する際にMSDをシャットダウンするか真空にする必要がある場合は、最初の空気漏れを修復する前に、空気漏れの可能性があるほかの箇所もテストしてください。空気漏れは複数の箇所で発生している場合があり、それらを一度にまとめて修復すると効率的です。
テストが完了したら、[データ取り込みを停止]をクリックします。
*サイドプレート O-リング溝の拡張部分は、真空マニフォールドの右下隅に加工されています。この拡張部の先端は、サイドプレートの右下隅の先まで伸びています。そのため、空気漏れチェック用のガスをこの箇所に吹き付けると、ガスはO-リングの周辺にも行き渡り、O-リングの空気漏れもチェックできます。この方法は、サイドプレート全周に吹き付けるよりも便利です。