一貫性のないピーク幅は、チューニングレポートで最もはっきりわかります。MSDがチューニングに合格しない場合はデータを取り込まないでください。以下の原因が考えられます。
メソッドで指定したチューニングファイルが有効なファイルであることを確認します。また、チューニングファイルが分析テクニックと分析対象サンプルのタイプに適しているかどうかも確認します。MSDがチューニングに合格しない場合はデータを取り込まないでください。
すべての加熱部が MSD のその設定値に達してから熱平衡に達するまでに、少なくとも 2 時間はかかります。
MSD の温度の変化は、質量割り当てが小さく変化する原因となります。実験室での大きな温度変化は、MSD 温度を変化させ、質量割り当てに影響を与える場合もあります。
キャリブレーションバイアルが空の場合は、次のようなエラーメッセージが表示されます。Not enough signal to begin tune (シグナル不足のためチューニングを開始できません)または、場合によっては No peaks found (ピークが見つかりません)。バイアルの残量がわずかである場合は、エラーメッセージではなく、ピーク幅が均一でないなどの現象が現れます。
上部のMSDカバーを取り外します。
キャリブレーションバイアルのPFTBAレベルを調べます。必要に応じてPFTBAを追加します。
キャリブレーションバイアルを充足させる方法については、MSDメンテナンスマニュアルを参照してください。
キャリブレーションバルブが、部分的に詰まっているかまたは故障しています。考えるその他の原因をチェックしてください。それらが問題の原因でない場合は、キャリブレーションバルブを交換してみてください。
キャリブレーションバルブを交換する方法については、MSD メンテナンスマニュアルを参照してください。
エレクトロンマルチプライアのホーンがその有効寿命をほとんど終えかかっている可能性があります。オートチューニングを実行すると、常に、エレクトロンマルチプライアの電圧が上限の 3000 V 、またはそれに近い値に設定される場合は、おそらく、これが原因です。エレクトロンマルチプライアのホーンを交換します。
EM のホーンを交換する方法については、MSDメンテナンスマニュアルを参照してください。
検出器の電源とGCの電源の接地がそれぞれ別の電位に設定されている可能性があります。この場合、検出器のインタフェースとアナライザを経由する電流経路(グラウンドループ)が生成されます。電源の接地が同じ電位になっていることを確認します。
警告!グラウンドループの確認は、資格を持つ電気技師のみが行うようにしてください。