シーケンスでフラクションコレクション パラメータをオーバーライドする場合の規則(LC/MS)

メソッドのフラクションコレクション パラメータは、以下のオーバーライドメソッド パラメータを使用して、シーケンステーブルに化合物、質量、または分子式を指定することによってオーバーライドできます。

  • SQ: T1 フラクションターゲット質量 1

  • SQ: T2 フラクションターゲット質量 2

  • SQ: T3 フラクションターゲット質量 3

これらの列の値は、以下の形式にする必要があります。

  • 質量

  • 分子式

  • 化合物名|分子式(化合物名と分子式をパイプ文字で区切る)

  • 化合物名|質量(化合物名と質量をパイプ文字で区切る)

  • 複数のエントリを入力する場合は、値の区切りにセミコロンを使用します。

  • 区切り文字のパイプやセミコロンの前後にはスペースを入力しないでください。

リストされた各化合物が、メソッドに追加されます。オーバーライドパラメータのフラクションターゲット質量列の識別子 T1、T2、または T3 と一致するフラクションターゲット質量列を含むすべてのフラクションコレクション トリガーシグナルに対して、各付加化合物の分子式、モノアイソトピック質量、および m/z がシーケンステーブルの値でオーバーライドされます。

シーケンステーブルのフラクションコレクションパラメータをオーバーライドする際には、以下の点を考慮してください。

  • 化合物名は任意です。ターゲット質量の化合物名を指定しなかった場合、メソッドの実行時にデフォルトの化合物名が割り当てられます。デフォルトの化合物名は、以下の形式になります。TN_<質量>_FCN

  • 同じ列またはその他の列に入力されている化合物と名前が同じで質量が異なる化合物は、許可されません。

  • 分子式または質量のいずれかを必ず入力する必要があります。

    • 質量ではなく分子式を指定した場合、式に基づいて質量が計算されます。

    • 質量のみを入力する場合、重複する質量値は許可されません。

    • ターゲット質量に対して生成されるイオン種の質量が、機器の測定可能質量の範囲を超えてはなりません。

  • すべてのフラクションターゲット質量列に対して、シーケンス 1 行ごとの化合物が 20 種類を超えてはなりません。

  • 各フラクションターゲット質量列の化合物は 10 種類を超えてはなりません。

  • TN のフラクショントリガーシグナル列を含むメソッド内のすべてのフラクションターゲット質量に対して、シーケンス行のターゲット質量とメソッドの付加イオン種に基づいて、付加イオン種の m/z が計算されます。

  • シーケンスのフラクションターゲット質量列に対応するフラクションターゲット質量列がメソッドにない場合は、エラーが表示されます。

  • フラクション質量列のメソッドオーバーライド値がメソッドに適用されたときに、メソッド内の SIM の総数(測定パラメータとフラクションコレクション トリガーシグナルパラメータの両方)が 200 を超えた場合は、エラーが表示されます。

  • 関連付けられているメソッドで、いったんフラクションターゲット質量列が NOT ロジックに割り当てられると、そのフラクションターゲット質量列の化合物をその他のフラクションターゲット質量列に入れることはできなくなります。

例 1

目的:  すべての化合物を 1 つのオーバーライド列に入力する、シンプルなシーケンス オーバーライド ワークフローを設定します。各化合物について、ポジティブ付加イオンおよびネガティブ付加イオンの両方がフラクションコレクション トリガーシグナルとなります。  同じのトリガー条件がすべての化合物に適用されます。

メソッドのフラクションコレクション トリガーシグナルテーブルは、以下のように設定されています:

mbfc_1.png

シーケンステーブルで、フラクションコレクションのパラメータを次のようにオーバーライドします。

メソッドをオーバーライドする列

入力:

SQ: T1 フラクションターゲット質量

284

または C10H9ClN4O2S

または Sulfachloropyridazine|284

または Sulfachloropyridazine|C10H9ClN4O2S

このシーケンスを実行すると、メソッドは次のように設定されます:

mbfc_override_1.png

例 2

目的:ポジティブ付加イオンのフラクションコレクション トリガーシグナルを使用する化合物を 1 つの列に入力し、ネガティブ付加イオンのフラクションコレクション トリガーシグナルを使用する化合物を 2 つ目の列に入力する、シンプルなシーケンス オーバーライド ワークフローを設定します。  列 T1 に入力した化合物は、列 T2 に入力した化合物とは異なるフラクションコレクション ピークトリガー条件になります。

メソッドのフラクションコレクション トリガーシグナルテーブルは、以下のように設定されています:

mbfc_2.png

シーケンステーブルで、フラクションコレクションのパラメータを次のようにオーバーライドします。

メソッドをオーバーライドする列

入力:

SQ: T1 フラクションターゲット質量

279

または Sulfamethazine|279

SQ: T2 フラクションターゲット質量

309; 283; 269

または Sulfadimethoxine|309;Sulfachloropyridazine|283;Sulfamethizole|269

このシーケンスを実行すると、メソッドは次のように設定されます:

mbfc_override_2.png

関連項目

サンプルの分析

シーケンスの実行