ハイレゾサンプリング(ハイレゾリューションサンプリング)

ハイレゾサンプリング(ハイレゾリューションサンプリング)は、コンプリヘンシブ 2D-LCモードとマルチハートカットモードの利点を併せ持っています。一次元目でピークがブロードでひとつのサンプルループには溜めきれないようなピークでも分析できます。最小約 2 µL までの幅(¹D リテンションタイムの 1 秒未満に相当)で、最大 10 個の連続する分画を作成できます。

ハートカットモードとは異なり、 ¹D ピーク全体を二次元目に送ることができます。これにより、化合物が見逃されることなく、正確な定量が可能となります。分画の開始と終了の両方が明確に定義されるため、ハートカットよりもピークを正確に溜めることができます。それに対し、ハートカットでは分画の終了時にのみバルブを切り替えることで分画を決定します。ハイレゾサンプリングでは、マルチハートカットと同様に、複数のサンプルループを備えたループデッキを使用して二次元目を一次元目から切り離します。これにより二次元目では長いグラジエントと高分離が可能になります。

フルコンプリヘンシブモードでは連続分画にたとえば 30 秒かかる場合があるのに対し、ハイレゾサンプリングでは、¹D の分離度が保持されます。

マルチ注入

ハイレゾデータをマルチ注入モードで取り込んだ場合、サンプルループに貯留された一連の分画がデッキバルブごとにすべて連続して注入され、1 つにまとめて二次元目で分析および分離されます。そのため、1 分画あたり 1 つの ²D クロマトグラムは作成されません。マルチ注入により、まとめて分析された複数分画に対する ²D クロマトグラムがマルチ注入ごとに 1 つずつ作成されます。つまり、ハイレゾのマルチ注入で ² つのデッキバルブを 1 回ずつ使用する場合は、 2 つの 2D クロマトグラムが得られます。

連続分画のマルチ注入で分析される個々の分画はサンプリングテーブルに表示され、¹D クロマトグラムに注釈が付きます。ただし、二次元目の等高線プロットウィンドウと診断シグナルウィンドウでは、マルチ注入分析は 1 つの分画の分析として表示されます。

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