ディレイキャリブレーション用のメソッド準備

ディレイキャリブレーションを実行するには、キャリブレーション済みシステムに含めるすべてのモジュールを特定し以下の情報を含むメソッドを作成する必要があります。

  • サンプル情報(ロケーション、名前など)

  • 各モジュール(サンプラ、ポンプ、検出器など)の設定情報およびラン

問題発生を回避するため、ディレイキャリブレーション手順は、ターゲットアプリケーションに可能な限り近いメソッド設定で実行してください。予期しない問題を回避するため、ターゲットアプリケーションと同じフローモジュレーター設定(スプリットモード)を使用することをお勧めします。スプリット流量の検出器のシグナルが小さすぎる場合は、スプリットモードを調整してモード 1 に近い値にする必要があります。

重要:スプリット流量の検出器で測定されたディレイタイムおよび注入量は、メイン流量とメークアップ流量の組み合わせに対してのみ有効です。メイン流量の検出器でキャリブレーションされたディレイタイムおよび注入量のみ、実際の流量に応じて再計算されます。

ディレイおよびチェックアウトキャリブラントを使用したキャリブレーションは、均一濃度では実行できません。高い割合で有機溶媒を使用すると、混合液中の一部の染料がカラムから適切に溶出しません。これは表面積の大きいカラム使用時に分離されるスルホン化染料固有の効果で、分取クロマトグラフィーでは一般的です。

最初の分析の前に、95% の有機チャンネル B を使用してカラム 3 本分の容量でカラムをフラッシュしてください(約 2 分)。

注入量

以下の表に、さまざまなカラム内径の Agilent ディレイおよびチェックアウトキャリブラント(部品番号 5190-8223)の推奨されるデフォルト注入量を記載しています。検出器またはフラクションコレクタディレイセンサーの最終的なレスポンスが飽和しているか低すぎる場合は、必要に応じて注入量を調整してください。

カラム内径

キャリブラント注入量

3.0 mm

0.5 μL

4.6 mm

1 μL

約 10 mm

10 μL

約 20 mm

50 μL

30 mm

100 μL

50 mm

300 μL

システムに1290 Infinity II 分取 Open-Bed サンプラ / コレクタ(G7158B)が含まれる場合、操作モードをサンプラメソッドで分取に切り替えてください。プリセットメソッドリストから、非極性サンプルマトリックスのプリセットを選択します。右側のプラグ設定で、ポストサンプルプラグ溶媒として機能する 25% メタノール水溶液のバイアルのロケーションを指定します。その他のパラメータはすべてデフォルト設定のままにします。

流量

LC システムには、一定の流量範囲用に設計された 1 つ以上のキャピラリーキットが付属しています。取り付けられたキャピラリーに応じて、以下のカラムと流量の組み合わせが推奨されます。

カラム内径

流量範囲

システムに付属のカラム

3.0 mm

0.4 ~ 0.6 mL/min

3.0 × 50 mm, 2.7 μm(699975-302)
または 3.0 × 150 mm、2.7 μm(693975-302)

4.6 mm

1.0 ~ 1.5 mL/min

4.6 × 100 mm、2.7 μm(695975-902)

約 10 mm

4 ~ 8 mL/min

10 × 50 mm、5 μm(446905-802)

約 20 mm

15 ~ 40 mL/min

21.2 × 50 mm、5 μm(446905-702)

30 mm

40 ~ 80 mL/min

30 × 50 mm、5 μm(446905-302)

50 mm

80 ~ 200 mL/min

50 × 50 mm、5 μm(446905-502)

メークアップ ポンプ流量(質量検出器用)

ネブライザーの手前の配管に、チューブキットに含まれているパッシブスプリッターを使用している場合、推奨されるメークアップ流量は 1.5 mL/min になります。

チューブキットに含まれているパッシブスプリッターを使用していない場合、推奨されるメークアップ流量は 0.5 mL/min になります。ESI イオン源の最大流量は 0.8 mL/min です。

グラジエント

分取スケールシステムのキャピラリーキットに含まれる長さ 50 mm のカラム使用時は、以下のグラジエントにすることをお勧めします。長いカラムをキャリブレーションに使用する場合、グラジエントのスロープ時間を適切に延長してください。流量をそれに応じて調整すれば、あらゆる内径のカラムにも適用します。

時間

組成 A

組成 B

プレコンディショニング時間:1.5 min

0 min

90%

10%

0.5 min

90%

10%

4.0 min

5%

95%

6.0 min

5%

95%

6.1 min

90%

10%

停止時間:7.0 min

クロマトグラムにスパイクや、ピーク状のバンドに結合されたスパイクが表示されている場合、開始組成を 10% から 20% に増やしてください。

検出

UV

600 nm の波長(リファレンス波長ではない)を使用して、ディレイおよびチェックアウトキャリブラントの青いキャリブレーション染料をモニターしてください。

MS

青いキャリブレーション染料で観察されるイオン:

  • ポジティブイオン化モード:m/z 545.2 [M + H]+、567.2 [M + Na]+、589.2 [M-H + 2Na]+、273.1 [M + 2H]2+

  • ネガティブイオン化モード:m/z 544.2、またネガティブモードでは m/z 543.2 [M-H]-

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