OpenLab CDS はタイムイベントのセットを提供し、内部アルゴリズムベースライン定義とユーザー定義の積分モードを選択できます。デフォルトの構成が適切でない場合には、タイムイベントを使用して、シグナルベースラインをカスタマイズすることができます。たとえば、ユーザーはデフォルトの面積和の結果に影響しない、新しい面積和イベントのタイプを作成することができます(面積合計スライスを参照してください)。これらのイベントは、最終的なピーク面積を加算する場合、そして短期間および長期間のベースラインの逸脱を補正する場合に、役立ちます。
特定のシグナルに指定値を設定することも、すべてのシグナルに一般値を設定することもできます。
初期イベントを参照してください。
インテグレータが面積を合計する範囲のポイント(オン/オフ)を設定します。
面積和によって作成されるピークのリテンション/マイグレーションタイムは、開始時間と終了時間の平均です。面積和オンイベントがピークの開始後かつ頂点の前で生じた場合は、ピーク全体が和に含まれます。ピーク頂点の後かつピークの終了前に生じた場合は、ピークは断ち切られてすぐに面積和が始まります。
面積和オフイベントがピークの開始後かつ頂点の前で生じた場合は、面積和がすぐに終わります。これが生じたシグナルのポイントが谷ポイントになります。面積和オフイベントが頂点の後で生じた場合、イベントはピークの終了まで延長されます。
このイベントを使用すると、面積や時間間隔のロスのない連続した面積和の間隔を定義できます。
このイベントは、面積和に類似しています。ただし、このイベントを使用すると、時間間隔と積分ピーク面積のロスのない隣接した面積和の間隔を定義することができますピークはこのイベントを設定したポイントで分割され、面積和は面積和スライス間隔が指定されている位置で正確に開始および終了となります。
面積和スライスピークのリテンションタイムは、スライス時間間隔の中間です。リテンションタイムは、同定やリキャリブレーションによって変更されません。インテグレータはデータポイントの取得を面積和スライス開始イベントとともに開始し、面積和スライス終了イベントととも終了するため、リテンションタイムは少ししかシフトしません。そのため、リテンションタイムの変化は最大でも 2 つのデータポイント間の時間までです。
各面積和スライスの開始時間を定義するには、開始パラメータを使用します。次の開始時間は、先行するタイムスライスの終了時間として使用されます。そのため、複数の開始イベントを次々と使用できます。
ネガティブ面積から開始パラメータは、負の(設定されたベースラインより下の)面積がタイムスライスの面積から差し引かれるタイムスライスの積分の開始点を規定します。
終了パラメータは、最後のタイムスライスの終了点を規定します。タイムスライスの面積は、ベースラインより下の面積を無視して計算されます。他の面積和スライスイベントが続かなくなると、インテグレータは通常のピーク検出を再開します。
開始イベントから次の終了イベントまでの間では、ベースラインが常に一直線に引かれ、その範囲内では方向が変更されません。終了点の後(少なくとも 0.001 min 後)でなければ、範囲からベースラインを設定、範囲から最も低いベースラインを設定、または範囲からベースラインを使用のイベントを使用することによって長期間のベースラインの変更を再度適用することはできません。
上の図に、以下のタイムイベントの例を示します。
時間 | イベント | パラメータ |
---|---|---|
4 min | 範囲からベースラインを設定 | +-2 min |
22 min |
範囲からベースラインを設定 |
+-4 min |
時間 | イベント | パラメータ |
---|---|---|
4 min | 面積和スライス | 開始点 |
8 min | 面積和スライス | 開始点 |
10 min | 面積和スライス | 開始点 |
13 min | 面積和スライス | 開始点 |
17.5 min | 面積和スライス | 開始点 |
19 min | 面積和スライス | 終了点 |
次のピークのピーク幅の自動更新をオンにします。この更新は、その時のピーク幅がどのような値でも再開し、以前検出されたピーク幅に基づいてピーク幅の追跡を再開します。
ピーク間のすべての谷でベースラインをリセットするポイント(オン/オフ)を設定します。
ベースラインを繰り返しリセットすると、ピークの隅を削除できます。削除された隅は負の面積になるため、ピークの測定面積の合計は減少します。
この機能は、広くて低いピークの背に複数のピークが乗っている場合に、ベースラインをすべての谷のポイントにリセットしたいときに役立ちます。
標準インテグレータが、明らかにしたベースラインポイントからこのポイントまで水平に後方へ、ベースラインを拡張するポイントを1つ設定します。
ベースラインホールドイベントがオンになった時点からオフになった時点まで、確定済みのベースラインの高さで水平ベースラインを引きます。
インテグレータがピーク間の次の谷でベースラインをリセットした後、この機能を自動的にキャンセルするポイントを設定します。
この機能は、背に乗っているか、または互いに近い位置で分離したクラスタになっていると見なされる、マージピークのグループに役立ちます。面積和の実行中、この機能は無視されます。
シグナルがピーク状態である場合に、インテグレータがベースラインを現在のデータポイントの高さにリセットするポイント(時間)を設定します。
信号がベースライン上にある場合は、この機能は無視され、検出されるベースラインが使用されます。
ショルダー検出の開始と停止を行う間のポイント(オン/オフ)を設定します。
ショルダーは、指定されているショルダーモードに従って検出されます。ChemStation インテグレータの初期イベント を参照してください。
ピーク幅を設定して、次のピークのピーク幅の自動更新を無効にします。良いパフォーマンスを得るには、ピーク幅を実際のピークの半値幅に近い値に設定してください。
初期イベントを参照してください。
積分の停止と開始を行う間のポイント(オン/オフ)を設定します。
積分のオンとオフの間のピークは無視されます。
ベースラインは、最後に明らかにしたポイントから描かれ、落ち込みのためのすべてのリセットを含みます。その他のすべての積分機能と、ピーク幅、スレッショルド、および面積リジェクトの設定変更は、積分機能がオフになると無視されます。ベースラインポイントは、オンおよびオフポイントで再度確立されます。
インテグレータが設定されて再起動すると、現在のシグナルレベルで新規ベースラインポイントがリセットされます。
この機能は、クロマトグラム/エレクトロフェログラムの一部を無視する、またはベースライン変動を解消するのに便利です。
目的ピークの最大の面積を設定します。
面積が最大面積値より大きいピークは、レポートされません。ベースラインの修正後、最大面積値より大きいピークはインテグレータにより除外されます。
例えば、このイベントを使用して、GC クロマトグラムの溶媒ピークを積分結果から除外することができますが、そのライダーピークを含めることはできません。
目的ピークの最大の高さを設定します。
高さが最大値より大きいピークは、レポートされません。ベースラインの修正後、最大値より高いピークはインテグレータにより除外されます。
例えば、このイベントを使用して、GC クロマトグラムの溶媒ピークを積分結果から除外することができますが、そのライダーピークを含めることはできません。
ネガティブピークを認識する間のポイント(オン/オフ)を設定します。
ネガティブピークが認識されると、インテグレータは落ち込み後にベースラインを自動リセットしなくなります。その後のすべてのベースラインの落ち込みは、ゼロとして確立されたベースラインを使用して積分されます。このベースラインとの比較によって面積が形成されて、絶対値が求められます。
ベースラインは、ピーククラスタの開始点で明らかにしたベースラインポイントからピークの終了点で確立されたベースラインまで構築されるため、ネガティブピーク機能は、ベースラインドリフトがピークサイズに比べて小さい場合のみ信頼して使用できます。
注記
ネガティブピークオンイベントが有効になると、面積和は自動的に無効になります。
ネガティブピークの検出中はタンジェントスキムも無効になり、このようなピークはドロップラインによって分離されます。
ピーククラスターの開始イベントと終了イベント内ですべてのピークに共通のベースラインを作成します。
開始時間や終了時間がネストピーク(ショルダーまたはライダー)と交差する場合、親ピークがピーククラスターの開始時間と終了時間を定義します。2 つのピーククラスターの範囲が互いに交差する場合、2 つ目のピーククラスター範囲を定義するイベントが無視されます。
ベースラインは、最初のピーク開始時間で開始され、最後のピーク終了時間で終了します。ピーククラスターの領域全体が考慮されます。ピークとして検出されていないピーククラスター内の領域は、割り当てられないピークとしてレポートされます(ベースラインコード U)。ピーククラスター内にはネガティブピークはありません。したがって、面積リジェクトまたは高さリジェクトによって、あるいはピーククラスターベースラインの落ち込みがあるシグナルによってのみギャップは発生します。
ピーククラスターオプション負ピークなし開始を使用すると、シグナルの落ち込みがないベースラインが作成されます。
データポイントの範囲を使用して、時間範囲の中間で統計的に有効なベースラインポイントを計算します。
値は、指定されたイベント時間の前後の時間間隔です。これにより、ベースラインポイントを決定するために使用される範囲が定義されます。ベースラインの統計的計算について詳しくは、ベースライン補正モードを参照してください。
値 = 0 を設定すると、最も近いクロマトグラムデータポイントがベースラインポイントとして使用され、統計処理は一切行なわれません。マイナス値を設定すると、範囲からベースラインを使用=消去と同じ動作になります。つまり、統計的なベースラインアルゴリズムの使用を停止します。
ベースライン計算に、クロマトグラムの時間と間隔を指定することができます。化学的バックグランドがなくノイズのみを含むのが理想的です。
2 つの範囲からベースラインを設定点を指定する場合(たとえばクロマトグラムの開始および終了点)、その間のベースラインが直線でつながれます。
データポイントの範囲を使用して、時間範囲の中間で統計的に有効なベースラインポイントを計算します。範囲からベースラインを設定以外に、このイベントではノイズデータポイントを 30 % 多く上乗せできる、最も低いと考えられるベースラインポイントを使用します。そのため、ベースラインの落ち込みが最小化されます。範囲から最も低いベースラインを設定は、範囲からベースラインを設定の Y-値から 1 シグマ(ノイズ標準偏差)を減算することにより計算されます。
値は、指定されたイベント時間の前後の時間間隔です。これにより、ベースラインポイントを決定するために使用される範囲が定義されます。ベースラインの統計的計算について詳しくは、ベースライン補正モードを参照してください。
値 = 0 を設定すると、最も近いクロマトグラムデータポイントがベースラインポイントとして使用され、統計処理は一切行なわれません。マイナス値を設定すると、範囲からベースラインを使用=消去と同じ動作になります。つまり、統計的なベースラインアルゴリズムの使用を停止します。
ベースライン計算に、クロマトグラムの時間と間隔を指定することができます。化学的バックグランドがなくノイズのみを含むのが理想的です。
2 つの範囲からベースラインを設定点を指定する場合(たとえばクロマトグラムの開始および終了点)、その間のベースラインが直線でつながれます。
計算に使用するクロマトグラムの面積に過剰な化学的ノイズまたは電子ノイズのスパイクがある場合には、範囲からベースラインを設定の代わりに範囲から最も低いベースラインを設定を使用してください。
初期イベントを参照してください。
初期イベントを参照してください。
mV/s の単位で特定のスロープを超えるピークは、A/D 変換の範囲外にある、溶液ピークとして検出されます。
トレーリングピークは、自動的にタンジェントスキムされるため、タンジェントスキムイベントをオンにする必要はありません。
溶媒ピーク検出がオフの場合、ドロップラインはタンジェントの代わりにトレーリングピークから描かれます。
ピークをドロップラインで分割するポイントを指定します。
注記
面積和がオンになっている間はピーク分割を使用できません。面積和がオンになっている間にピークを分割するには、対応するマニュアル積分イベントを使用します。
スキムしたピークはピーク分割イベントを使用して分割できません。
タンジェントスキムを開始または終了する位置を指定します。
オン
インテグレータが次のピークのトレーリングエッジ上にタンジェントスキムを設定するポイントを設定します。接線を超えるピークは、すべてリセットベースラインに積分されます。接線が引かれるのは、小さいピーク前の谷から検出器シグナル勾配がタンジェント勾配と等しくなるポイントまでです。タンジェントスキムイベント時間には、ピーク中の任意の時間を入力できます。またピークを溶媒ピークとして指定します。
オフ
現在のピークの終了後、または指定した間隔にわたってピークが検出されない場合に、タンジェントスキムを終了します (溶媒が次のクラスタに不用意に指定されなくなります)。
一部のベースライン設定では、認識されたいずれのピークにも含まれない狭い面積が、ベースラインより上かつシグナルより下の部分に存在します。このような面積は通常、評価もレポートも行なわれません。割り当てられていないピークをオンにすると、これらの面積は割り当てられていないピークとして測定およびレポートされます。このような領域のリテンション/マイグレーションタイムは、領域の開始点と終了点の中間です。
このイベントは、インテグレータが最も高いデータポイントをピーク頂点として使用し、これによりピーク高さとピークリテンションタイムの両方が定義されます。このイベントを使用しないと、補間された検量線の最大が使用されます。ピーク高さの更新イベントは、急勾配のあるピークや、ピークの前に急な落ち込みのあるシグナルで特に役立ちます。このようなピークは MSD シグナルでは一般的です。
ピーク高さの更新の開始時間は評価されません。イベントは常にクロマトグラム全体に影響します。
ベースライン落ち込みを最小化するために、それ以前または以降の時間にベースライン値を見積もることができます。
範囲からベースラインを設定または範囲から最も低いベースラインを設定の値をクロマトピークのない面積で計算する場合、対象の第 1 ピークが溶出する直前(または対象の最後のピークが溶出した直後)に、計算されたベースラインを想定すると有意な場合があります。範囲からベースラインを使用では、どの方向でもこのような投影を 3 つまで作成できます。
このイベントは、直線のベースラインが意図せずにクロマトグラム曲線を通過する可能性があり、これを避けるためにアップスロープまたはダウンスロープのベースラインを作成した場合に使用すると有意な場合があります。パラメータはインテグレータに対して、どのベースライン範囲からベースラインポイントを取得して、ベースラインを指定の時間間隔のベースラインポイントまで引くかを指定します。
以下のパラメータを使用できます。
クリア:新規ベースラインの動作を消去して、このポイントから従来のアルゴリズムに戻します。
左:このポイントの左側から時間的に最も近いベースライン範囲にあるベースライン値を使用します。
右: このポイントの右側から時間的に最も近いベースライン範囲にあるベースライン値を使用します。
範囲 1 ~ 範囲 9:指定されたベースライン範囲にあるベースライン値を使用します。ベースライン範囲は、クロマトグラムの開始点からカウントされます。
面積和スライス(例:面積和スライス)に基づく例も参照してください。
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