真空マニフォールドの圧力は、MSD にオプションのゲージコントローラが装備されている場合にのみ測定できます。一般的なカラム流量(0.1 ~ 2.0 mL/分)の場合、真空マニフォールドの圧力は約 1 x 10^-6 ~ 1.4 x 10^-4 Torr になります。1.4 × 10^-4 Torr より大幅に高い圧力が観察された場合、または観察される圧力が、あるカラム流量で、時間の経過とともに上昇する場合は、以下をチェックしてください。
ディフュージョンポンプを使用している MSD では、カラム(キャリアガス)の流量が 2.0 mL/分を超えてはなりません。ターボ分子ポンプを使用している MSD では、カラム(キャリアガス)の流量が 4.0 mL/分を超えてはなりません。カラム流量を減らして、MSD に戻ってください。
オイルレベルが低かったり、オイルが汚れていたりすると、フォアラインポンプは正しく作動しません。これにより、フォアラインと真空マニフォールド両方の圧力が上昇する可能性があります。フォアラインポンプ内のオイルレベルを調べます。必要であれば、フォアラインポンプオイルを追加するか、またはオイル交換します。オイルの状態(色)もチェックします。フォアラインポンプオイルは、熱、空気、水、溶媒、サンプルなどにさらされるため、徐々に劣化します。症状のひとつとして、オイルの色が徐々に濃くなることがあげられます。
フォアラインホースをチェックします。圧迫されていないことを確認します。ホースが急に曲がったり、あるいは圧迫されたりしていないか確認します。
ディフュージョンポンプオイルのレベルが低いと、ポンプは正しく作動しません。液のレベルを調べてください。必要に応じて、ディフュージョンポンプオイルを交換します。
ディフュージョンポンプオイルをチェックし交換する方法については、MSD メンテナンスマニュアルを参照してください。
ディフュージョンポンプの性能が悪くなる原因には、通常、ディフュージョンポンプのオイルレベルが低いことや、ディフュージョンポンプのオイルが汚れていることがあげられます。また、ディフュージョンポンプスタック内でコンポーネントがきちんと揃っていないことでも、ポンプの性能が悪くなります。通常の操作でもメンテナンスでもスタックを取り外すことはないので、スタックコンポーネントの位置ずれはめったに生じないはずです。ディフュージョンポンプのオイルレベルと状態が正しく、最近スタックを外したこともない場合は、弊社カスタマコンタクトセンターにお問い合わせください。
MSD の温度と真空を表示します。MSD が真空排気中でない限り、ターボポンプの速度は 100% になっているはずです。速度が 100% より大幅に低い場合は、ターボポンプが正常に機能していない可能性があります。
ヒューという高音が聞こえないか注意深く耳を傾けてください。正常に機能しているターボポンプは静かなはずです。MSD からの通常の環境音(ファンの音など)とは異なるヒューという音が聞こえる場合は、ターボポンプが正常に機能していない可能性があります。
ターボ分子ポンプが 100% の速度で運転されていない場合や、通常と異なる音を立てている場合は、弊社カスタマコンタクトセンターにお問い合わせください。ターボ分子ポンプの交換はユーザーが行うことはできません。