オートチューニングでは、m/z 502 の相対アバンダンスは 3% より大きくなるはずです。ところが、m/z 502 の相対アバンダンスは、カラム流量、イオン源の温度、その他の変動要素によって大きく変わります。相対アバンダンスが 3% より大きい限り、相対アバンダンスの安定性の方が、その絶対値よりも重要になります。オペレーションパラメータを変更していないのに m/z 502 の相対アバンダンスに大きな変化が観察される場合、何か問題がある可能性があります。データ測定ソフトウェアのチューニング表示オプションは、変化を確認するのに役に立ちます。
m/z 502 の低い相対アバンダンスを、 高い質量での低い絶対アバンダンスと混同しないでください。m/z 502 の相対アバンダンスが 3% に近い場合でも、高い質量での感度は優れている場合もあります。お使いの機器が高い質量で低い絶対アバンダンスを示す場合は、症状の「高質量感度が悪い」を参照してください。絶対アバンダンスは許容範囲内にあるが、相対アバンダンスが問題を示す場合は、以下のようになっていないかチェックしてください。
オートチューニング以外のチューニングプログラムでは、相対アバンダンスのターゲットは異なっています。DFTPP および BFB ターゲットチューニングプログラムが MSD を調整して、m/z 502/69 の比を約 0.8% にします。どのチューニングプログラムが使用されたかを調べます。観察された相対アバンダンスが使用されたチューニングプログラムに対して適切でない場合は、考えられるその他の原因を参照してください。
m/z 502 の相対アバンダンスと干渉する汚染物質が機器内に残っている可能性があります。加熱部が正常な設定値になった状態で少なくとも 2 時間は MSD をオンにしたまま待ってから、もう一度オートチューニングを実行してみます。
イオン源の温度を下げてから、m/z 502 の相対アバンダンスが改良されるかどうかを確かめます。
ディフュージョンポンプを使用している MSD では、カラム(キャリアガス)の流量が 2.0 mL/分を超えてはなりません。ターボ分子ポンプを使用している MSD では、カラム(キャリアガス)の流量が 4.0 mL/分を超えてはなりません。カラム流量を減らして、MSD に戻ってください。
予備のフィラメントに切り替え、画面の指示に従って[はい]をクリックして、オートチューニングを実行します。
感度が向上する場合は、新しいフィラメントを使用します。
適時、元のフィラメントを交換します。
フィラメントを交換する方法については、MSDメンテナンスマニュアルを参照してください。
四重極マスフィルタで直流極性を切り替えます。MSDを再チューニングします。パフォーマンスが向上する場合は、新しい直流極性の使用を続けます。