MS が液体クロマトグラフの検出器として使用される場合、マススペクトルはクロマトグラムの各データポイントに関連付けられます。
高品質で正確な質量スペクトルを得るには、次のように MS を最適化します。
感度を最大にする
満足できる分解能を維持する
正確な質量の割り当てを確保する
チューニングとは、これらの目標を達成するために MS パラメータを調整するプロセスです。
LC/MS には、調整できる 2 組のパラメータがあります。1 組のパラメータはイオンの生成に関連付けられています。これらのパラメータは、スプレーチャンバーとフラグメンタをコントロールします。もう 1 組のパラメータはイオンの伝達、フィルタリング、検出に関連しています。これらのパラメータは、スキマー、オクタポール、レンズ、四重極質量フィルター、HED エレクトロンマルチプライア(検出器)を制御します。
チューニングとは主にイオンの伝達、フィルタリング、検出をコントロールするパラメータの正しい設定値を探すことです。これは、キャリブラントを LC/MS に導入し、イオンを生成して行います。これらのイオンを使用して、チューニングパラメータは、感度、分解能、質量割り当ての目標を達成するために調整されます。いくつかの例外を除いて、イオン生成をコントロールするパラメータは調整されません。これらは、キャリブレーション溶液からイオンを生成するために最適な固定値に設定されます。
LC/MSD iQ、Pro iQ、Pro iQ Plus SQ LC/MS では、マニュアルチューニングはサポーされていません。また、チューニングファイルを別の名前で保存することはできません。
チューニングの結果は、2 つ以上のパラメータ設定の集まりを含むチューニングファイルであり、1 つはポジティブイオン化、もう 1 つはネガティブイオン化用です。ソフトウェアによって、そのメソッドによって指定されたイオン極性およびスキャンモードに適切な設定が自動的に読み込まれます。自動化チューニングアルゴリズムであるオートチューニングも、レポートを作成します。チューニングファイルは MS 機器内に保存されます。MS を新しい PC で起動すると、MS には既にチューニングパラメータが入っています。
データの取り込み中、イオン生成に関連するパラメータは、データ測定メソッドでコントロールされます。イオンの伝達に関連するパラメータは、データ測定メソッドが持つチューニングファイルでコントロールされます。
オートチューニングは、質量範囲全体にわたり良い性能が得られるように、LC/MS をチューニングする自動化チューニングアルゴリズムです。
チェックチューニングを実行することもできます。
作業内容
パラメータ | AJS | ESI | APCI | MMI(APCI + ESI) |
---|---|---|---|---|
ドライガス温度(℃) | 300 | 300 | 325 | 325 |
ドライガス流量(L/min) | 7 | 7 | 5 | 5 |
ネブライザー(psi) | 15 | 15 | 60 | 60 |
シースガスヒーター | 200 | N/A | N/A | N/A |
シースガス流量(L/min) | 11 | N/A | N/A | N/A |
ベーポライザー(℃) | N/A N/A | N/A | 200 | 200 |
キャピラリー | 4000 | 4000 | 2500 | 2500 |
ノズル | 1500 | N/A | N/A | 2000 |
APCI ニードル | N/A | N/A | 4(ポジティブ)、 -10(ネガティブ) | 4(ポジティブ)、 -10(ネガティブ) |