MS を使用した化合物の定量化

質量分析を使用してサンプルを定量する場合、異なる化合物を定量するために使用できる m/z 値を最初に見つける必要があります。データ解析は、適切な質量およびリテンションタイムを見つけるのに役立ちます。

準備

  • 以下で説明する手順には、プロジェクト管理 > プロジェクトコンテンツの編集、解析メソッド > 同定パラメータの編集およびデータ > サンプル情報の編集権限が必要です。権限は、コントロールパネルで設定します。

  • プロジェクトで「メソッド承認を適用」が設定されている場合、メソッドは一般ステータスである必要があります。詳細については、メソッド承認を参照してください。

  1. データを読み込みます。

  2. MS メソッドがデータに関連付けられていることを確認します(メソッド設定 MS になっていること)。または、MS 解析メソッドを作成し、データに関連付けます。

    1. 解析リボンタブから新規メソッドをクリックします。
    1. メソッド設定から MS を選択し、メソッドの作成をクリックします。
    1. 新規解析メソッドを保存します。解析リボンタブから名前を付けてメソッド保存をクリックします。
    1. 新規解析メソッドを注入データに関連付けます。該当する注入データを選択し、解析リボンタブのメソッド関連付けをクリックします。
  3. 解析メソッドで、積分パラメータを調整します。抽出イオンシグナルに対して固有のイベントを使用できます。

    1. 解析メソッドの積分イベント > 標準ノードで、TIC SCAN、SIM、または EIC シグナルに対するシグナル固有のイベントを使用チェックボックスをオンにします。
    1. 関連シグナルのパラメータを調整します。

    たとえば、面積リジェクトを TIC SCAN の場合は 200000 に、EIC の場合は 10000 に設定できます。

  4. 分析時間全体ではなく、各ターゲットピーク周辺の時間ウィンドウでイオンクロマトグラムを抽出するには:解析メソッドの抽出 > クロマトグラムノードから、ターゲット化合物 EIC のリテンションタイムウィンドウの値を入力します。

    通常、ベースラインポイントを正しく割り当てるために、ターゲットピークが含まれるよう十分な幅の時間範囲を選択するのが最善です。たとえば、各ピークに対する絶対 RT ウィンドウ0.1 min に設定します。

    値をゼロにすると、EIC は全範囲で抽出されます。

  5. MS スペクトルのバックグラウンド減算を設定します。

    解析メソッドの抽出 > スペクトルノードから、ピーク頂点スペクトルに対する適切なバックグラウンドモードを選択します。

  6. 解析メソッドの化合物 > 同定ノードのクオリファイア設定タブから、クオリファイアイオンの設定を確認します。

  7. MS ライブラリ検索で化合物名を自動検索:メソッドのスペクトル分析 > MS ライブラリ検索ノードで、ドロップダウンリストから MS ライブラリを選択します。

    注記

    MS ライブラリ検索を使用する場合は、最初に NIST MS Seach プログラムおよび適切な MS ライブラリをインストールしてください。NIST は有償のソフトウェアです。Agilent から購入いただけます。

    このシナリオでは、自動で TIC ピークを検索チェックボックスのステータスは関係ありません。

  8. メソッド保存します。

  9. 注入データを再解析します。

    すべての該当ピークが積分されるようになります。

  10. 注入データツリーの注入データを右クリックし、MS 化合物の追加/更新を選択します。

    または:化合物テーブルあるいはクロマトグラムを右クリックし、それぞれのコンテキストメニューから MS 化合物の追加/更新を選択します。

    アプリケーションがここで説明するように自動的にデータを分析し、対応する情報を解析メソッドに追加します。

  11. 化合物名を指定し、メソッドの化合物テーブルを確認し項目に入力します。

  12. メソッドの化合物 > キャリブレーションノードで、キャリブレーションレベルに対して適切な濃度を入力します。

    メソッド保存します。

  13. 注入リストウィンドウで、サンプルタイプとキャリブレーションレベルを指定します。

  14. オプション:化合物を他のスキャンデータから同じメソッドに追加する方法

    1. もう一方のデータファイルを開きます。
    1. その他の注入データを同じメソッドに関連付けます。
    1. 元のメソッドを選択します。新しい注入データを右クリックし、MS 化合物の追加/更新を選択します。

    選択したメソッドに新しい化合物が追加されます。

  15. データを再解析します。

    再解析中に、(ターゲットイオンとクオリファイアイオン両方の)m/z 値ごとに EIC が自動的に抽出され、注入データツリーに表示されます。

    クオリファイアイオンのレスポンスがターゲットイオンのレスポンスと比較されます。定義されたレスポンス許容範囲内にある場合、クオリファイアは注入結果合格として表示されます。

    ターゲットイオンの EIC は定量に使用されます。

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